前の投稿の後、いろいろなピアニストの演奏を聴いてみました。youtube にも比較動画がありました。聴いてみてびっくり。まず第一にテンポがみなゆっくり。コルトー先生の指示では4分未満になるのですが、どの演奏も4分を超えている。さらに弾きにくい変奏の部分、音数の多い部分は皆一様に速度を落として弾いている。もちろん速くても弾けるはずですが、あえてゆっくりにしています。加えて、譜読みの段階で間違えていた箇所がありました。リズムです。写譜をしたのでその時は意識していた記憶があるのですが、すっかり忘れていました。
仕切り直しで弾いてみました。途中で二度ほどつっかえていますが。
改めて考えてみます。
まずは、やはりちゃんと聴かないとだめですね。弾き始める前によく楽譜を読み込むこと、ゆっくりで良いので正確に弾く「譜読み」を徹底すること、これが大切でした。とりあえず弾けそうということで安易に手を付けたのは良くなかったです。
最初の段階で間違って弾いてしまうと、それが癖になってしまうというか習慣化して、同じところで間違えるようになってしまいます。こんな基本的なところでさまよっていてはストレス解消になりませんね。以後心します。
まだ、部分部分の練習をしているわけではないので、ぎこちなさや間違いは大目に見てほしいと思います。ここからスタートです。まだ暗譜には程遠く、写譜した楽譜で譜めくりを避けて弾いています。左手をしっかり覚える必要があるようです。
テンポはやや揺らぎ過ぎの様な気がします。ほとんどのピアニストは前述のテンポを落とすところ以外は比較的一定を保っています。ショパンが「ちょっとだけ徐々にゆっくり」と指定されているところは、感じられる奏者とほとんど変化させない奏者がいるようです。
そうでした、もう一つ驚いたことが。この曲には三か所にトリルがあることについて書きました。最初のトリルに前打音が付いていると書きましたが、誰の演奏にもついていません!ということはコルトー先生監修の楽譜にのみ付いているのでしょうか?これは最新の校訂を確認する必要がありそうです。エキエル版だったでしょうか、値段が高いので立ち読みしようかと思います。本当は手元に置きたいんですけれども。
前打音を付けるか付けないか、悩んでいます。エキエル版になければ付けないかなと思います。
今回これだけでは申し訳ないので、最後を飾る「小音符の数え方」について書きます。もっとも、そんなもの必要ないという方もおられるかもしれません。私は頭の中で勘定しているのですが、ややもするとわからなくなってしまうので。
弾きやすいのは、上図で赤いラインで示したように4音からなる音型を三つのまとまりにとらえることです。曲全体の左手のリズムは三拍子っぽいので馴染むと思います。そして、三つのまとまりが四つあると捉えるとすんなりと勘定できます。あとは最後の異なる音型を弾くだけです。
参考に聴いたピアニストの中には、絶望的に超高速で弾く人もいました。こうなるともう「感覚」の世界としか思えません。トリルでさえきちんと数を把握しないで弾いてきました。大人になって練習を再開してからは意識するようにしていますが、子供の時はとにかく速く弾けばいいんだと思っていました。
それはともかく、感覚的にわかりにくいと感じる方がおられましたら、上記の方法をお試しください。3x4ですね。もちろんアクセントなどをつけてはいけません。クレッシェンドとデクレッシェンドを効かせます。この楽譜では音が大きくなるところでシフトペダルを離すように指示されています(多分徐々に?)。書いてありませんが最初はシフトペダルを踏んだ状態から始めます。ダンパーペダルは基本的には踏みっぱなしです。デクレッシェンドするときに再度シフトペダルを踏むようには指示されていません。すみません。書かれていますね。
そういえば、エキエル版ではありませんが、ノクターン第2番の他の楽譜を持っていたかもしれません。探しておきます。
話はまた前打音に戻りますが、ショパンの場合ノクターンなどの軽めの曲では装飾音が違う稿がいくつもあったりしますので、決定打というものはないのかもしれません。ショパン自身、いろいろな弾き方をしたのではないかと私は思っています。教師としてのショパンは生徒に応じて楽譜に手を入れたりしたこともあったようです。あまり堅苦しく考えなくてもよいのかもしれません。但し、バラードやスケルツォ、ソナタなどではそういう自由度はないと思いますが。
次回はもう少し細部について考えてみたいと思います。特に弾きにくいところの練習方法ですね。効果的な方法が見つかりましたら。