革命-その0(新たな曲目)

「革命のエチュード」
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さて、いよいよ新しい曲目に入ります。家族のリクエストにより、ショパンの練習曲集・作品10の12番、通称「革命」または「革命のエチュード」と決まりました。

ショパン自身が「画期的な練習曲」と述べたこの曲集は、難易度にかなりのばらつきがあります。1番などは左手は非常に楽ですが右手は相当高度な技術、強靭な力が要求されます。聴いている分にはそう難しくは聴こえないのですが。もちろん非常に難しく聴こえながらその通りに難しい曲もあります。有名な「別れの曲」もこの曲集に含まれています。この曲は、もちろんきれいに弾くのは難しいのですが努力さえすれば何とか弾きこなすことができるものです。

では革命はどうでしょうか?練習の参考になれば…。


かなり難しい曲のように聴こえます。もちろん難しいのですが1番に比べれば決して到底弾けないという程でもないようです。全体の中で、という意味ですが。努力のし甲斐がありそうです。また、練習曲ですから自分の技術の向上に役立つわけで、これは挑戦しない手はありません。

楽譜はいつものようにコルトー版を入手しました。

Amazonのリンクを下に乗せておきますね。各曲の前には詳細な練習方法が・・・。

12番のために5ページがとられていますが、なんと練習方法も5ページあります!練習曲を弾くための練習方法が書かれているというのは面白いと思いませんか?そしてコルトー先生の指導は本当に的確で的を射ているなと感じます。指が動きにくいところをピンポイントで練習する方法が書かれているのです。

これはコルトー先生がショパンの練習曲を、もはや単なる練習曲としてではなく素晴らしいピアノ曲と認めていることの表れともいえます。12番の序文を見ても、まず技術的困難の壁を乗り越える必要があると述べています。そうして初めてこの曲を表現していくことができるということのようです。

そんなわけで後はこの楽譜を購入して練習してくださいねっ、てそれではブログになりませんので、この練習法を適用しながらのトレーニングの様子を報告していきたいと思います。もっとも著作権がありますのでそのものずばりを公開してしまうことはできません。どこまでお伝えすることができるかわかりません。極力自分なりの練習に転換して(ここで情報の質が落ちるかも?)お伝えしていきたいと思いますので、ブログの更新は遅いのですが、関心がおありでしたら是非参考程度に見てください。

楽譜を見てすぐに気づくのは、1番が右手のアルペジオの練習だったのに対し、12番は主に左手のスケールの練習だということです。スケールと言いますか、半音の細かな動きやアルペジオと、親指を中心とした大きな動きの練習です。格別大きな手が必要というわけではありません。右手は大きな壁とはなりませんが、手全体の跳躍を幾分含んでいますので、正確にインテンポで弾くことが課題となりそうです。

ちなみに練習曲なので、運指がきっちりと書き込まれています。一部コルトー先生は代替の運指も記しています。技術向上のためにはこの運指を守る必要があります。ハノンは効果的な面もあるのですが如何せん単調で、続けるのが苦痛な時が多いです。一方ショパンの練習曲は曲として非常に美しく華があり、その上訓練になるのですからこんな良いことはありません。ピアノ教育に熱心だったショパンのピアニストへの愛を感じます。

余談になりますが、ショパンは12曲からなる練習曲集をもう一つ作曲しています。作品25がそれです。さらに言うと彼の前奏曲集は24曲からなっています。これはバッハの「平均律クラヴィーア曲集」の影響を受けているかもしれません。この曲集では前奏曲とフーガが長調・短調それぞれ12曲からなっています(計48曲)。もっともバッハの場合は、「平均律」(正確には「良く調律された」)が調律を変えることなく、また音が濁らずに12の基音それぞれの個性を表現できることを明示するために、ハ長調からロ短調まで作曲したわけです。1オクターブが12の半音で構成されていることによるわけですね。ショパンの場合は24の調を各曲で使っているわけではありませんけれども、12やその倍数というのは何かとても収まりが良い数なのでしょう。

だいたい1オクターブを12に分けるようになったのはなぜ、またいつからなのでしょう。非常に不思議ですね。5音音階も存在しますし、中東にはまた独特の音階が存在し、日本古来の音階も12に分けているのではないので、だんだんそうなってきたのだと思われますが考え始めると興味は尽きません。私達は12平均律に耳が慣らされているので、中東の独特の音階を聴くと違和感を覚えるかもしれません。

更に余談ながらオクターブという言葉には数字の8が含まれています(詳細はWikipedia「オクターブ」を参照)。ここに踏み込むとさらに奥が深く果てしがないのでWikipediaに丸投げします。

1オクターブが12の半音でなっており、1ダースが12個です。フランスは12進数を使っていたでしょうか?さらには1日が昼12時間、夜12時間からなっています。これが10進数だったら1秒の長さもきっと違っていましたよね。そうだ1年も12ヶ月です。聖書に出てくる古代イスラエル民族は12の部族から構成されていたといいますし、イエス・キリストには選ばれた12人の使徒が従っていたでしょう?うーん、紀元前や西暦1世紀あたりではどんな音階が使われていたのでしょう。確か昼夜12時間ずつに分けるのは相当昔にさかのぼることができるらしい、と聞いたように思うのですが音階は?何かつながりがあるように思うのですがどうなんでしょうか?

本筋より長くなっても何なんでそろそろやめますね。

自国の文化を重視する国ではまた異なるかもしれませんが、世界的にみると12音階が主流になっているように思われます。その音階が耳に心地よいわけですね。日本でもほとんどこれです。演歌はヨナ抜き音階(ドレミソラド)ですか。これとて12音階の一部として認識されています。「ドレミソラド」がよくわからなければ「は~るばる来たぜ、函館へ~」と歌ってみてください(「函館~」ではありません)。現代曲では微分音、つまり半音をさらに細かく分けた音階が使われることもありますが、しっくりくるかと言えば微妙です。

あらら、余談が止まりませんね。話を戻します。今回は長いですね。

「革命」という通称についてはいわれがあると思っていましたが、ショパンの命名ではなく関連もないとのこと。Wikipediaの「練習曲作品10-12 (ショパン)」の項を参照していただくのが早いです。作曲時期はポーランドの「11月蜂起」と時を同じくしているということでしたが、何度読んでも内容的な関連はないとのこと。ブログでは判り易いので通称の「革命のエチュード」を用いますが、とらわれないようにすることが必要のようです。怒りの感情とかではないのですね。激しいので、つい感情がこもってしまうかもしれませんが、純粋に絶対音楽として理解していくのがよさそうです。フランツ・リストに献呈されています。リストなら初見でいけたでしょうね。上記参照のWikipediaの「技術」の項も参考になるでしょう。演奏の難易度については「要出典」となっていますが比較的易しいとのこと。私も12番は「比較的」弾きやすい方だと思います。あくまでも「比較的」ですが。他が難しすぎるんです。

期間としては2ヶ月程度を見込んでいます。どうなるかわかりませんが。なかなか練習に時間が取れない今日この頃です。

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