月光 第二楽章-その1(変化をつける)

「月光」
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まだ第一楽章が完成していないのに第二楽章?
とにかく弾いてみないと始まらない。

飽きてきたというわけでもありませんが、少し気分を変えたかったのです。
この楽章は「月光」の中にあって「救い・安らぎ」を感じさせる欠かせない部分です。まさに「緊張と緩和」の配置の妙でしょうか。
 
ちなみに「月光」は嬰ハ短調(C♯マイナー)。第二楽章は変ニ長調(D♭メジャー)で書かれていますが、主音は同じで、主和音もほとんど同じ。ただ、構成音がミかファかの違いだけです。第三楽章は第一と同じ。これで各楽章の雰囲気を大きく変容させている手腕は、さすがベートーヴェン。
 
第二楽章は形式がきちっとしていて繰り返しが多く、やや単調な演奏になりがちです。それで変化をつけて弾くことは大切です。


園田先生の巧みな指遣いで、ほとんどペダルなしでもレガートにひくことができます。スタッカートが多用されているので、あまりダンパーペダルに頼るのは好ましくありません。スタッカートの振り方は校訂者に負うところが大きく、作曲家が厳密な要求をしているのでない限り変化を持たせる方が、弾き手・聴き手にとって好ましいでしょう。
スタッカートの指示を変えてみるのは一つの方法です。もう一つは、繰り返しの部分で同じ弾き方をしない、ということもあります。中間部(トリオ)の部分では二つの区画がそれぞれ二回ずつ演奏する指示がありますので、音の強弱を変えてみました。さほど感じられないかもしれませんが。
終結部のスタッカートについて園田先生は下記のように指示しています。
B14-(2)A
ミ♭→ラ♭、と音が上がる部分で、最初はラ♭でスタッカート、二回目は両方の音にスタッカートをつけています。二回目の弾き方は考えたこともありませんでした。面白いですね。
さて、この終結部は三回演奏されます。毎回同じなのもどうかと思い、
・最初は両方ともラ♭でスタッカート
・二度目はスタッカートしない
・三度目は楽譜通りに弾く
としてみました。
あまり思い通りにはなっていませんが…。
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