ノクターン第2番-その6(終わり良ければ総て良し)

ノクターン第二番
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和音をきちんと同時に弾くのって意外と難しいと思われませんか?調子よく演奏が進んでいって、さあ最後の和音だ、という時に音がパラパラっと鳴ってしまったり、各音の音量のバランスが悪くて残念な思いをすることがあります。ノクターン第2番の最後には、注意を要する二つの和音が続いていますね。ここでずっこけないように色々試してみました。


まず、和音がばらけないように弾くのにどうすればよいでしょうか?色々試してみて意外だったのですが、最後から二つ目の高音域の和音と、最後の低音域の和音では異なる弾き方が適しているようなのです。

まず高音域ですが、この時は指を立ててあげます。鍵盤に垂直気味に立てて置いた指を、手全体で押し下す感じです。そうすると音がばらけることがありません。

低音域の場合は、逆に手のひらを鍵盤に水平に保って、指を鍵盤に乗せたまま手のひらの重みで抑えるようにすると、すべての音が同時になるようになりました。どういうわけか逆にすると良くないのです。不思議ですね。ただ私の主観なのかもしれませんが。

次に、和音の音量のバランスを取るためにどのように工夫できるでしょうか?  実のところ高音域では特に意識しなくてもほどほどのバランスで鳴ってくれます。

楽譜を見てお分かりのように、どちらの和音も同じでオクターブが違うだけです。E♭の和音です。このIの和音の場合、ド・ミ・ソで言いますと、ミの音の音程をわずかに下げることによって和音は美しくひびます。弦楽合奏などではそうなのでしょうが、当然のことながらピアノは音程をずらすことはできません。代わりにミの音をわずかに小さく弾くことで同様の効果を得ることができます。

  

セオリー通り、主音のド(この場合E♭)の音は二つ、最低音と最高音に出てきていますので終止感がはっきりわかります。残るミ(G)とソ(B♭)の音ですが、Gの音を若干小さめに引かねばなりません。でないと同じ音量でもやや目立って聴こえてしまい、濁りにもつながります。B♭の音は左手の人差し指、Gの音を右手親指か人差し指で弾くことになります。指を立てた場合ですが、親指で弾くことで、やや短い親指が音量を抑えるのに向いているのかもしれません。また、コントロールしやすい指でもあります。人差し指で弾く場合も同じことが言えますが、長いぶん立てて弾くと大きな音になってしまう可能性があり注意が必要です。

では最後の和音についてはどうでしょうか?手を平たくして重みで弾くわけですが、意外にも平らにした右手親指のコントロールは難しく(さっきと話が違いますが)、大きな音が出たり、鳴らなかったにすることがあります。それで親指だけは少し角度を持たせて、つまり鍵盤と水平よりも少し手前(手首側)を持ち上げた状態で鍵盤に触れさせておきます。こうすることによって手のひら全体を押し下げた時にGの音が大きく鳴ってしまわないようにするのが容易になります。言い換えると、指一本一本をコントロールしなくてもよいように、手の形を整えるということになるでしょうか。意識の上では。

あと問題になるのは、最低音の小指で弾く主音が時として弱くなってしまうことがあるので要注意ですね。

和音を美しく響かせる練習は楽しいものです。ただ電子ピアノなので、時々アコースティックピアノを弾かせてもらって確認しています。

終わり良ければ総て良し、ですが、練習はまだ続きます。

 

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