ラ・カンパネラ – その54(さらにこずるく・・・)

「ラ・カンパネラ」
このページには広告が含まれています。

ラ・カンパネラが続きます。

どうしても難しいところがあります。何か所も。その中の一つ、跳躍と手探りで音を当てる部分です。時間はあっという間に過ぎるのですが…。

ここを「決まった!」と思わせる勘所は…。


同じ音型が三度繰り返されますが、その一回目と二回目。この各フレーズの最後の音さえ合っていれば、その前が多少ぐちゃぐちゃしていても決まります!

で、この最後の音を当てるには、「跳躍しない」ことです。あくまでも「手探り」です。両手が左右に分かれていく部分ですが、ここに無理はありません。開いていく部分を何度か繰り返すと手が位置を覚えるので最後の音を当てるのは難しくありません。音と音の間隔は決して広くはありませんので跳躍する部分はありません。普通サイズの手でも十分に届きます。ちょうど飛び石伝いに川を渡るように安全に最後の音まで到達できます。

逆に言うと、途中があっていても、最後の音を外すと弾いている人も聴いている人も「わちゃ!」という感じになってしまうのですね。繰り返し手を左右に広げていく練習を試してみてください。比較的短期に成果が出るので楽しいですよ。

ただし、途中の跳躍を伴うところはやはり難しく、練習方法としてはゆっくりと弾くことでしょうね。頑張って手に覚えてもらうことにしましょう。

邪道であるのは重々承知ですが、「この曲ではここを外すとアウト」という箇所があり、逆に「ここを決めればバッチリ!」という箇所もあります。全部決められればそれに越したことはないのですが、目的は楽しみですから弾いていて楽しいこと、できれば聴いている人も「思ったより弾けるじゃないか」と感じてもらえると最高です。逆の意味で期待を裏切るのですね。だから「あの人は上手らしい」という評判が立ってしまうとよろしくないことになります。ちょっと矛盾しているようですが、何度かは易しい曲を披露しておくと「ああ、この人はこれくらいのレベルなんだなぁ(実はその通りですが)」と思ってもらえますから、ハードルが下がりますよ。

と言っても、ラ・カンパネラに挑戦するなんて無謀すぎますか?いえ、弾きたい曲があることが幸せなんです。もし子供の頃に「この曲が弾きたい」というのがあったとしたらやめなかったかもしれないですね。絶対無理、と思っていましたからねぇ、ベートーヴェンとかショパンとか。実はショパンは好きでなかったのですが。聴くのがですよ。シューベルトも何か受け付けなかった。モーツァルトはあまり聞いたことがなかったです。バッハは…ダメだったでしょうね。ドビュッシーやラベルの曲を聴いたらちょっと違ったかも。私が子供の頃はあまり聴かれることがなかったようです。世界名曲集にもなかったような気がします。

でもそのまま続けていたらどうなっていたのか。講師くらい(失礼)にはなれたのか?んー、やっぱり無理そうですね。それで趣味として楽しむこともままならなかったかもしれません。それは嫌ですね。

私は声を大にして言いたい。いろんな曲をいっぱい聴きましょう。弾きたい曲に出会いましょう。先入観を捨てましょう。最初から無理と決めてかからないようにしましょう。

ちなみに、私がいつか弾いてみたいのは、バッハ=ブゾーニのシャコンヌです。無伴奏ヴァイオリンパルティータ第二番(だったかな)の終曲です。ヴァイオリンの原曲も超難曲ですが、ブゾーニはそれを単にピアノに移す、のではなく半端なく難しい曲に編曲しています。かなり長い曲ですが感動します。ピアノ音楽の金字塔だと思うのですが意外に演奏されていません。ミケランジェリのCDを持っていますが素敵です。いつかね、いつか。

タイトルとURLをコピーしました