革命-その2(冒頭の左手のリズム変奏)

「革命のエチュード」
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一つ覚えのリズム変奏です。今回のように16分音符の羅列の場合は特に有効です。コルトー先生も再三取り上げています。それだけ効果的ということです。

今回の動画ではまだまだ練習が足りないなという感じです。人によっては退屈に見えるこの練習。どのように捉えていったらよいのか譜例を交えて考えてみます。


どのリズムで弾いても最低音部が同じリズムになるのはご愛敬。画面の切り替えが目を回しそうなことも。酔いますね。

出来るだけ速く弾こうと一所懸命になっているのが分かると思います。でもリズムがばらけてしまっては元も子もないです。もう少し遅くして正しいリズムで弾くべきでした。自分で弾いておいてなんですが、この練習の良さを見落としています。録画すると客観的に見られて良いです。

リズム変奏のメリットは、たとえ遅く弾いているようであっても、音価の短い部分では意外と速く弾いているところにあります。

上記の譜でいうと最初の小節、「タンタ・タンタ」のリズムでは赤で示した「タタ」の部分が速いです。繰り返し部分の「タタ」は省いて書いています。2小節目「タタン」でも同様に「タタ」がありますので、そこは速いです。

こちらも譜例1小節目、「タンタタタ・タンタタタ」と弾くパターンでは、「タタタタン」の「タタタタ」を速く弾くことになります(ここでも繰り返し部分で発生する「タタタタ」は省いて書いています)。

それでいて「タン」つまり4分音符の部分で小休止しますので、次の「タ」の連続に準備ができますし、運指の確認をするゆとりも持てます。

このゆとりがとても大事だと思います。動画を見るとその余裕がなくなっています。それでしょっちゅうバラバラと破綻してしまうのですね。瞬間的に一時停止する意識を持てばよいかもしれないと思っています。

本当は録画してすぐ見ればよかったのですが、まとめて撮ろうと欲張ったのでしばらく弾いてから見ました。録画する意義がなくなってしまいますね。

ちなみに、この練習の際は「ラソファレ・ミレシソ」の意識で弾いています。結局その方が弾きやすいような気がしてきました。特にこの練習ではその意識がないとうまくリズムに乗れません。

そんなこんなで左手はゆっくり全曲を通すようにしていますが(リズム変奏をするのは最初の部分だけ)、跳躍を伴う箇所などかなりの難所が控えています。ほんとうにテンポアップして弾けるようになるのか自信がありません。ですがこれまでも何度もそう思ってはそれなりに乗り越えてきましたので、今回もぜひ爽快感を味わいたいと思っています。

右手についても、全体をゆっくりとさらっています。オクターブの部分は良いのですが、和音をつかむところではけっこう腕に力が入ります。脱力するヒントもなくはないのですが。とりあえずそのまま弾いてみています。それから、オクターブの部分でも16分音符の部分はかなり慌ただしい感じになります。こちらもゆっくり確実に弾くように心掛けます。

とりわけ、赤丸で示したような3つの音をつかんでからオクターブの手幅を保って移動する部分はゆっくりでも音を外しがちです。練習課題には右手ももちろん含まれているのですが、まだそこまで行きつけません。

次回は、なぜコルトー先生が3-4の指のトリルを練習するように指示しているのか分析できればと思います。正直、今現在「謎」です。

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