ラ・カンパネラ – その29(なぜ練習をビデオで撮るのか)

「ラ・カンパネラ」
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久方ぶりの投稿になりました。自分で辛くない、楽しい範囲での練習ですのであまり進んではいきません。第2テーマ冒頭の指が動かないと言っていたのがずいぶん前のことになりますが、何とかなってきました。(オチまで付ける必要はないのですが)。

なぜ練習しているところをビデオで撮るのでしょうか?理由があります。


私にはひどい弾き直しの癖があります。途中で間違えるとそこで止まってしまい、少し戻ったところから弾いてしまうのです。実際、譜読み(運指も含めて間違えないようにゆっくりと最初にひくこと)が苦手で、片手ずつ、簡単な曲ならいきなり両手である程度のテンポで弾き始めてしまうため、ここで間違えるとその間違いがず~っと癖となって続いてしまうのです。

しかし、発表会ではそうはいきません。どんなに音を外しても間違えても、そのまま進めていかなければなりません。ところが弾き直しの癖があるとリカバリーできずにあわやストップ、という事態に陥るのです。

せめて練習では間違えずに、という思いから弾き直してしまうのだと思いますが非常によくありません。もちろんそういう練習、つまり間違えないようにゆっくり弾いたり、指の運動のための練習をしたりすることは大切だと思います。しかし、全体でなくとも、一定の範囲でも「よし、弾こう」と思った場合は少々の間違いには目をつぶらなくてはなりません。そうしないとリカバリーの方法が身に付きません。

スキーに似ているかもしれないと思います。特に難斜面ではスキーが上手かどうかはリカバリー能力が決め手です。どんなにうまい人でもこぶに足を取られたりはするのです。足がすっぽ抜けたりもするのです。でもリカバリー能力が優れているためそのまま滑り続けることができます。

私は大人になってからスキーを始めたくちでして、自転車のような子供のころから馴れ親しんだものほど一体感を持てません。中斜面や急斜面でも圧接してあるところならかなりの斜度でも滑りおりる自信はあります。しかし、ちょっと足を取られた時、その時に真の実力が問われてしまうのです。コントロールを失い、スピードも抑えることができなくなります。歳ですから最近は無理せず、危きには近寄らないようにしていますから、ちょっとでも足を取られると斜滑降で斜面の端まで逃げて、とりあえず止まるようにしています。この繰り返しですから、今後上達は見込めませんね。スキーの場合は怪我が怖いですからそれでよいと思っています。

ピアノはそうではありません。せいぜい恥ずかしい思いをする程度です。アマです。場を和ませればそれでよいのではないでしょうか?間違えてもよいから止まらない、これが肝心です。

それで、ようやくビデオの話に戻るのですが、記録している、と考えると止まりにくくなるのです。見えない聴衆がいるかのようです。電子ピアノには録音機能もありますからそれでも良いかもしれません。振り返って自分の演奏を確認することも大切です。たいてい自分で感じているほどひどく間違っては聞こえません。止まる、戻る方がよっぽど気になります。

そんなわけで、今とりあえず第一区分として練習の中心にしている部分を録画したわけです。が、ご覧いただければ(あまり見る方はおられないと思いますが)お分かりの通り、ビデオで撮ってさえ、弾き直しをしてしまっています。普段どれだけひどいかご想像にお任せします。これでもずいぶん自分としては弾き直しを減らして、リカバリー能力が発達するように努力しているのです。

一か所事故が起きています。オクターブを間違えました。これはさすがにムリですね。こういうことがないように練習が必要です。ビデオカメラが適度な緊張を生んでいると思います。これは良いことです。

あと、右手の跳躍の幅の広いところでテンポが落ちています。今のところは仕方ありません。部分練習が必要ですし、その前後とのつながりも関係あるので、徐々にテンポを上げるようにしていきたいと思います。

最後の三連符ですが、ゆっくりと上昇していくところはどうしても難しいですね。課題として後々まで残りそうです。ゆっくり弾くだけでは足りなそうですね。どういう指の訓練をすればよいのか? 効果のある方法を見つけた時の楽しさといったらないですね。

課題を残しつつも、次回は第2区分を録画してみたいと思います。テンポは非常にゆっくりになると思います。Youtubeで辻井さんの演奏を見ると、音数を増やしているのではないかと思えますね。実際そうなのかも、それとも速さゆえの錯覚なのか?ものすごくビビッドですね。さすがというかなんというか。もしかすると最後の部分を先に録画するかもしれません。速くは弾けませんが、完走はできそうですから。

個人的にはキーシンやユンディ・リの演奏がいいですね。とにかくプロフェッショナルはみんな速いです。比較的ゆったりしたキーシンにさえ届きません。聞いているとゆったり聞こえるのですが。考えてみると「練習曲」なので、弾く苦労ほどには演奏効果はなかなか出ないのかもしれません。

ラン・ランはたぶんロボットです。

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