久し振りの更新となりました。毎日二回通して弾きつつ難しい個所を練習する、という方法でどれだけ変化するのか。お披露目の時よりはましになったので一応公開しますが、ミスも多く、完全に止まって引き直しているところもあります。もちろん、一年かそこら練習したくらいで、ノンストップ、ノーミスで弾けるようなると思うほど自惚れてはいません。それにしても、進歩の遅さは年齢からきているように思えてなりません。
通して聴いてくださる方もいないと思いますが、突っ込みどころ満載の演奏から気づいたことを書いてみたいと思います。
やはり撮影しているという意識が緊張を呼ぶのか、普段弾ける場所でもだいぶんつっかえています。人前で弾くことと比べれば、そこまでの緊張感があるわけではないので、やはり「弾けていない」ということになるのでしょう。
まず出だしの鐘の音ですが、楽譜ではすべてスタッカートになっていますが、そうすると楽譜に書かれているようなリズムパターンになりません。プロの演奏を聴いてもそうなので構わないのかもしれませんが、小節線通りのリズムにならないのが気になっていて、一部テヌートで弾いています。良し悪しはわかりません。
最初の主題の提示部はまずまずだと思います。遅めのテンポを取っているので特に問題ないと思います。ただ、装飾音が入ってくると途端に難しくなるのは致し方ないですね。反復練習しかないと思います。ただし、ダンパーペダルは若干踏み過ぎです。メロディーをはっきりさせるためにも、スタッカートを強調するためにも、もう少しペダルは控えめに使うべきかと思います。
それでもメロディーのラインは八分音符で書かれているんですよね、絶対に指が届きません。そんなこともあってペダルがやや過剰になるのかもしれません。「一つ一つの音をはっきり」、というのが家族からのアドバイスです。
第二主題の提示部ですが、自分としてはうまく弾けた方だと思います。
ただし、ミスもありますし、何よりこれに続いて登場する右手の大きな跳躍が気になってしまい、流れを滑らかに移行させることができませんでした。そして跳躍の部分で完全に止まってしまいましたね。続いて、今一番弾きにくいと思っている、
の部分が来るので、コントロールを失っているのだと思います。
問題になっている三連符ですが、それ自体はほぼ問題ないと思うのですが、
やはり緊張が前に来て、流れが止まりました。普段は止まらないところですので、やはり録画しながらの練習は良いようです。きっちり弾けると感じているところをより確実にしたいと思います。あと、この三連符ですか、終わりの上昇音型のところはまだ怪しいですね。
続く同音連打の箇所です。
ここはずいぶんよくなりました。しかし二小節目の”P una corda”と書いてあるようにシフトペダルは踏めばよいのですがPは難しいですね。このあたりの演奏はYouTubeなどでプロの演奏を聴いてみても、それほど弱音ではないような気がします。ともかく同音連打が改善されたのは喜ばしいことです。鍵盤を修理したのも影響しているかもしれません。とにかくゆっくり練習しました。指も幾分高く上がるようになってきました。
続く部分は現状ではいかんともとしがたい部分です。
ここについては、むしろ左手に注意を集中した方が幾分楽なようです。それでも右手小指がついてきませんが、ゆっくり練習して指を鍛えたいところです。
続くスケールの部分。ここは練習でもしばしば間違えるので、繰り返しあるのみでしょうか?「運指」と目指す音を「狙う」ことを意識するとだいぶ違います。
そして下降してくる部分も運指がきっちり決まっていないといけませんね。
その後、以下の部分ですが、右手の親指を意識すると正確性が増すようです。
この後すぐ右手が、
この音型を弾きますが、最後の三つの音はやはり三連符ということで弾いてみることにしています。
続く部分ですが、ここは運指が今一つなのかはっきり出ていない音がありますね。
運指が大事と自分で言っておきながらなんですが、指に楽をさせています。本当は32分音符の四つ目の音がはっきり聞こえると非常にきれいに聴こえます。
続く手探りの部分です。思いっきり間違えてますが、普段は結構弾けるようになってきた部分です。
図が使いまわしですみませんが、以前、視線を全体に配るということを書きました。でも、上記の範囲では、二小節目に入るとき、左手の小指、シの音をかなり意識しています。ここが跳躍といえば跳躍です。それにしても録画すると間違える、ということはまだまだなんでしょうね。
この後に出てくる左手も難しいです。そして左右の手でオクターブを弾く部分に入っていきます。ここのクレッシェンドと高音部で弾かれる可愛らしい音型の差をはっきりとつけたいと思っています。シフトペダルを踏んでいますが、楽譜に指示はないのでどうなんでしょうか?加えて、交互にオクターブを弾くのは意外と難しく、正確なテンポを刻むことがなかなかできません。腕を交差させる必要があるからだと思います。楽譜面は簡単なので、注意したいところです。
右手がオクターブで下降してくる部分では、小指と薬指をきちんと使い分けて、黒鍵は薬指で弾くようにします。
そして一気にコーダになだれ込んでいくわけですが、ここでテンポを上げて印象付けるか、むしろゆっくりめに重々しく弾くかは好みがわかれるところだと思います。私は少しテンポアップする方が好きですが、左手がついて来ないところもあります。左手の練習、大事です。
いよいよ最後の部分ですが、カメラの位置からよくわかるように、きっちり間違えて弾いているのがわかります。
三音目がソ#ではなくラ#になっているところがかなりありますね。ここはもともとインテンポで正確に弾くことはむずかしいと思っていたので、一回目は思いっきり速度を落として、二回目からテンポを戻すようにしています。あまりそういう演奏を聴いたことがありませんが、こうするととりあえず左手に手の位置を把握させるのによいかな、と思ってのことです。とはいえ、かなりの間違いがあり、自分でも「正確に弾けている」という自信はありませんでしたが、ここまで同じ間違いをしているとも思っていませんでしたので、二音目と三音目の跳躍の間隔をつかむために繰り返しの練習をしてみたいと思います。
一番最後はミスなく終わりましたね。まだまだ成功率は高くないですが、今回は良かったです。
ざっと自分の演奏に突っ込みを入れてみましたが、皆さんの練習方法と比べていかがでしたでしようか?
細かい練習法については本当にコルトー版は参考になります。早く日本語版が出てほしいものです。
さて、ノーミスは無理としてもノンストップで演奏できた動画が取れたら、また同様のことをしてみたいと思います。多分、かなり先のことになると思いますが(そういえば「月光」の第三楽章もそれっきりでしたね)。