フランソワの演奏が気になってしまったのか、どうしても慌てて弾いてしまうようです。コルトー版の練習譜を使ってコルトー先生の演奏を模範にしていたはずなのですが、ここは初心に帰るとともに、自分の表現を追求せねばと思っています。
その前に、まずは平板になってしまっている演奏の動画です。
では、表情を付けるとするとどんな感じになるのか?あまり変わっていないと思われるでしょうが。
ほんのわずかですが表情が付きました。付いてない?
コルトー先生の演奏をお手本にしています。YouTubeにも公開されています。表情のつけ方ですが、デュナーミク(音量変化)とアゴーギグ(速度変化)を使います。
デュナーミクでは、コルトー先生は二つ目の上昇音型でやや音量を落としています。かつ、アゴーギグとしてごく少し遅くなっています。私はまだ自分で思っているほど表情が付かないので、もっと思いっきりやらないとダメみたいですね。
それから半音ずつ下がっていく音型で、デュナーミク、ここではデクレッシェンドですが、先生はさすがに表情豊かに弾いています。わずかにリタルダンドが付くのはショパンの指示に沿ったものでしょう。
私の練習の方向性ですが、速度を落として練習することにしたいと思います。以前弾いたことがあるせいか、弾けるはずと思って当時のテンポで練習すると間違いだらけになります。続けていると間違いが癖になってしまいますので、それだけは避けないと。それから、まずは平板に弾けるようになってから表情を付ける、というのはやめたいと思います。最初からゆっくりでよいので表情をしっかりと付けて練習します。技術と表現の練習を分けるべきではないと某指揮者の先生も言っておられました。私も同感です。
ですから、「表情をつける」のは最初からでよいのです。もっとも、あまりゆっくりと弾いているうちは、かえって難しいのかもしれません。それでも最初から表現を考えながら練習する方が手間がかからないはずですし、何より楽しいです。ここはどんな風に演奏したいか、どうしたらこの曲にふさわしい表現ができるか、聴いたことはないけれど自分なりにこんな風にしたらどうだろうか、などと考えながらの練習は、ただ単純に「弾ける」ように努力するよりも何倍も楽しいはずです。
とはいうものの、決して「難曲」ではないはずのこの曲を弾くだけでも時間や熱意が必要ですから、そうそう練習の時間は取れないとしても集中して取り組んでいきたいと思います。プロはどうなんでしょうか?フランソワにとっては高速で弾くこと自体はなんてこともないのでしょうか?それとも技術的な練習もするのでしょうか? コルトー先生は謙遜で、ショパンのスケルツォ第二番で、「ここは技術的な困難があるので、まず次のように練習する」などという解説が書いてあるところを見ると、プロでも最初からさらっと弾けるわけではないことがわかります。この曲はどうかわかりませんが。
引き続きチャレンジャー精神をもって、楽しんでいきたいと思います。